2015/06/11

学生時代のシマリスとの夏の思い出



先日、家で探し物をしていたら、ある本の間から偶然、上のような写真がでてきた。

 大学生の頃の思い出が鮮やかに蘇ってきた。

 大学生1年生のとき、動物行動学というとても魅力的な学問に出会った私は、すぐに自分で実践してみたくなり、シマリスを飼いはじめた。

 シマリスの名前はベンといった。
 今、考えるとベンが、幸運にも立派な(!)シマリスで、ベンのおかげで私は、最初は未熟の極みであったが、動物行動学の内容を自分なりに、確認し、味わい、それは徐々に形を成していくことになった。

 日ごろは、学生アパートでケージに入れて(ときどき部屋に放して)飼っていたのだが、長期休暇には、実家に連れて帰っていた。

 ある夏の日、実家で、ベンは、内側から自分でケージの蓋を開け、外に出て、なんと屋根の上まで出ていった。私がそれに気づいたとき、ベンは、眼下の風景を見ながらたたずんでいた。

 その様子を目にした私は、絶望した。
 さすがにベンはどこかへ行って、もう会うことはないだろうと思った。
 そして、せめてもの思い出にと撮った写真が上のものである。

 でも、ベンは、そのあと、私を驚かす行動をとった。
 
 ベンは、屋根でたたずんだあと、自分から、家の中に入り、部屋に置いてあったケージに入ったのだった。
 そこが自分の巣であり、そこには餌もあると思っていたのかもしれない。

 私がどんなに喜んだかは、もう言うまでもない。

 学生時代のシマリスとの夏の思い出の一つである。

 その後、やがて研究用に、たくさんのシマリスを飼うことになったが、ベンは、数え切れない思い出を残してくれた特別なシマリスなのだ。

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